自衛隊で何を学ぶか

元脱サラ自衛官の気づき

古参陸士とは

「古参」という言葉、最近はあまり聞きませんね。

某掲示板くらいでしょうか?

 

新隊員の頃、同期の一人が教官に「お前、古参陸士みたいだな(笑)」と言われているのを耳にしました。新隊員と言っても上は27歳までいます。大卒や社会人を経て入隊した、いわゆる「年食い」がそうなのですが、どうしても顔や振る舞い、私服などから年齢が出てしまいます。ちなみに27歳といえば高卒で入隊した人ならば自衛隊歴8年。陸曹候補生試験に合格し、3等陸曹になっている年齢です。

 

 

士の種類

通常、自衛隊に入るには一般曹候補生もしくは自衛官候補生として採用される必要があります(幹部除く)。前者は星(バッチ)付きとも呼ばれ、陸自であれば最初の階級は2等陸士です。基本的には曹になることを前提に採用された人ですが、必ず曹になれるという保証はなく、試験に受からなければなりません。また、自衛官候補生は任期制隊員とも呼ばれ、陸自であれば2年を1任期として採用されます(2等陸士への昇任は約3ヶ月の自衛官候補生過程修了後)。2年毎に任期を継続するかどうか選択でき、任期満了時には退職してもしなくても任期満了金を手にすることができます。

 

具体的には何年目から古参?

任期制隊員の場合、大抵2任期=4年の内に曹を目指すか就職するかを決めるようです。これは民間企業に就職する場合、年齢もある程度考慮されるからだと思います。自衛隊出身というブランドをさらに魅力的なものにするには、やはり若さをアピールする必要があるでしょう。高卒入隊ならばまだ22歳なので、いくらでも就職口はあると思います。大卒だと26歳なのでバリバリの体力仕事をまた一からやるのは結構大変かもしれません(私は無理です笑)。

 

陸自の場合、任期制では3任期目(5年目)に入ったあたりで古参陸士の称号が与えられるのではないでしょうか?入隊時の年齢や日頃の態度、営内での振る舞いなどにもよると思いますが、5年目であれば自動車免許も取得済みで訓練検閲も経験していると思うので、陸曹からの信頼も厚いはずです。

 

 

 古参陸士も悪くない!

先ほど4年のうちに〜と書きましたが、実際には4年以内に試験に合格する人は少ないと思います。しかしながら、4年目の夏には2期下の後輩(星付きだけ)も試験を受けるので、だんだんとプレッシャーが掛かってくるでしょう。後輩が増えるにつれて、陸士といえども作業を任されたり、指示を出す機会も出てきます。

 

陸自では曹候補生試験に合格すると、陸曹教育隊というところで約3ヶ月の厳しい訓練が行われます。ここに入る前、体力面はもちろん、自衛隊に関する知識や訓練中の行動、あると便利な物や教官に対しての振る舞い方など、ありとあらゆる「対策」が重要になってきます。事前に部隊の先輩陸曹などからアドバイスをもらうことになるのですが、やはり一番は自分自身の「経験」です。

 

「自衛隊では階級より飯を食った数の方が大切だ!」なんていう人もいますが、あながち間違いではないと思います。陸士時代が長いということは、陸士のうちに経験できることを全て経験した、ということです。迷路で言えば正解以外のルートを全部塗りつぶした様なものです。後輩からのどんな質問にも答えることができるでしょう。古参陸士は時にいじられたりもしますが、早々と試験に受かった若手陸曹よりも経験豊富な彼らの方が頼りになることもあるのです。

 

 

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