自衛隊で何を学ぶか

元脱サラ自衛官の気づき

高卒で可処分所得15万円/月

うわっ・・・自衛官の月収、

低すぎ・・・?

 

そう思った方、タイトルをよく見てください。

月収ではなく、「可処分」所得です。

 

つまり額面から源泉徴収される所得税や年金、保険などを差し引いた、個人が自由に使えるお金の事です。

 

ご存知の方もいるかと思いますが、自衛隊は食費(勤務日)、居住費、水道・ガス代がかかりません(電気代はかかる!)。一般の企業や公務員でも実家暮らしならばこれと同様かもしれませんが、一人暮らしと比較するとその高待遇っぷりを理解できると思います。

 

私の場合ですと、都内に住んでいた頃は居住費7万円/月(間取り1K )、食費は2万くらいで、水道・ガス代は5千円かかっていました。手取り21万円の半分近くは勝手に消えていく感覚です。

 

 

そのお金はどこに消えてしまうのか?

教育期間が終わり部隊に配置されると、ほぼ確実に先輩と同部屋になります。確かに怖い先輩もいますが、教官ほどではありません。それに先輩・後輩の関係とはいえ「同居人」ですので、先輩としても出来れば良い関係を築きたいはずです。そんな時に役立つのが、過去記事で紹介した「お酒」です。

motoji-career.hatenablog.com

 

昔ほどではないにしろ、民間でも飲みニケーションはいまだ健在のようですし、自衛隊も例外ではありません。寝食をともにし、杯を酌み交わすことで、強固な信頼関係が結ばれるのでしょう。

 

ただ、血気盛んな自衛官が男だらけの飲み会で満足できるはずがありません。不思議なことに駐屯地の近くには必ず歓楽街がありますので、朝までハシゴなんて事もしばしばです。自衛隊の地域経済と雇用創出への貢献度は本当に計り知れません(笑)。

 

 

そしてオシャレにも気を使います。平日は迷彩服とジャージくらいしか着ないため、休日だけがファッションを楽しむ唯一の機会でもあるのです。漫画ライジングサンでも描かれていましたが、教育期間中の坊主頭を隠すために、多くの新隊員は帽子を購入します。私も自衛隊に入る時に約10年ぶりに頭を丸めましたが、「髪型もファッションの一部である」ということに改めて気付かされました。当然、部隊でも「品位のある髪型」でなければならないので、衣服や装飾品によって理想のファッションとの乖離を埋める必要があるのです。

 

 

このブログを書いている2016年4月10日現在、バドミントンの桃田選手らによる違法カジノ店での賭博問題がメディアで取り沙汰されています。アスリートは勝負事が好き、というのはこの一件に限らず多くの方も感じていることだと思います。そして残念ながら、準アスリートのような自衛官も、余暇をパチンコやスマホゲーム(有料課金)に費やしている人が多いのが実感です。これらを否定する気はありませんが、費やしたもの(お金と時間)に対して、あまりにもリターンが少ないように思えます。本人が満足しているならば良いのですが、暇つぶしにやっている程度ならば他の趣味に目を向けてみることを強くお勧めします。

 

 

 ちなみにですが、私の同期であった今の20歳前後(ポストゆとり・さとり世代)は割と贅沢志向が強いと感じました。それは先ほどの桃田選手しかり、彼らが熱狂する三代目J Soul Brothers、リムジンを貸切で使ってみたりと、今までの「大人しい若者像」の範疇を超えた嗜好であるように思えたからです。マーケティング評論家の原田曜平氏も指摘しているように、彼らの親世代は20歳前後でバブルを経験してますので、その辺も影響を与えているものと思われます。

 

 

コツコツ自分に投資すべき!

先ほどは若年自衛官の豪遊っぷりを書きましたが、実際にはほとんどの人が定額積み立てをやっています。しっかりした教育隊では、入隊してすぐに始めるよう指導があるみたいです。金額は人それぞれですが、将来の結婚資金やマイホームの頭金など、まとまったお金が必要な時は必ず来ます。その時に、「やってて良かったぁ」と思えるこの仕組みは自衛官にピッタリだと思いました。

 

 また、お金の使い方という点では、ある営内陸曹の人は一眼レフカメラを趣味としていて、1台20万円以上するフルサイズ機を所有していました。他にも高級ロードバイクやオーディオ機器、トレーニング器機など、個人の趣味にお金をかける人も少数ながらいました。そのような人は、私の先入観もあるかもしれませんが、とても魅力的に映りました。多くが刹那的な快楽を求める中、コツコツとお金を貯め、本当に自分が欲しいものを買うという当たり前。モノでなくても構いません。陸士のうちにコツコツとお金を貯め、医学部へ進学したという話を聞いたことがあります。これは極端な例かもしれませんが、可能なのです。

 

可処分所得15万円/月は、一人暮らしのサラリーマンだと手取り25万くらいに相当するはずです。なぜ自分はそれだけの金額をもらえているのか。そのことを少しでも考えてもらいたいのです。

 

 

お読みいただきありがとうございます。

 

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