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自衛隊で何を学ぶか

元脱サラ自衛官の気づき

自衛隊は何を守っているのか

久しぶりの更新になります。

 

私事ですが4月下旬に韓国、台湾、フィリピンを旅行しました。主に王道観光地を見て回ったのですが、韓国の戦争記念館、台湾の中正紀念堂、フィリピンのリサール公園で各国の現役兵士を目の当たりにし、ふと「自衛隊は何を守っているのだろうか」と疑問に思ったのがこの記事を書こうと思ったきっかけです。

 

私は「軍隊はその国の最も大切な人、ものを守っている」という認識でいますが、上記の問いに対して「我が国の平和と独立」という完璧な答えを出せる人は防衛省関係者だけでしょう。日本は今日現在、戦争や軍事的緊張下にはありませんが、幾度となく日本を襲った自然災害での自衛隊の救助活動を目にする度に、「自衛隊は日本を守っている」と考える人は多いでしょう。また、皇族や内閣総理大臣が海外へ渡航する場合、日本国政府専用機が使用されます。これは防衛省航空自衛隊が管轄しているので、やはり「大切な人」を守っていることに違いはないでしょう。

 

しかし実際に天皇陛下(皇居)を警護しているのは、皇宮警察本部(皇宮警護官)という警察庁の管轄組織で、防衛省自衛隊とは関係ないようです。私は彼らを実際に見たことはありませんが、YouTubeに動画がありましたので、興味がある方は見てみてください。

 

Changing of the Guard, Cambio de Guardia, Tokyo, Japan 皇居 衛兵交代式, 衛兵交接 - YouTube

 

ちなみに今回訪問した3カ国は全て共和制国家なので、特定の一族を守るということはありません。欧州の王制国家ではどこの組織が彼らを守っているのか、今後調べてみたいと思います。

 

 

徴兵という義務

韓国は日本人にとって最も親しみのある国の1つではないでしょうか。似たような顔立ちに加え、生活習慣や食文化、音楽シーンも日本と限りなく近いと言えるでしょう。私は今回初めて韓国を訪問しましたが、「ソウルは東京と同じ感じだろうなぁ」というのが到着前の率直な感想です。実際にソウル市内は公共交通機関もよく発達しており、物価といい街並みといい本当に東京そっくりだと思いました。街中で迷彩服姿の兵士をみるまでは…。

 

韓国は多くの方が知っているように現在も徴兵制を敷いています。もちろん私も知っていましたが、まさか駅構内や電車の中、弘大(ホンデ)という日本でいう渋谷・原宿のような場所にまで迷彩服を着た現役兵士を目にするとは思いませんでした。彼らは迷彩服姿のまま飲食店で仲間と過ごしたり、彼女と思われる女性とデートをしたりしていました。はじめは久しぶりに見る迷彩服にある種の興奮を覚えつつも、「これが韓国か」と深く考えさせられたのも事実です。

 

たまたま韓国という、日本の隣の国に男性として生まれただけで、約2年という人生の貴重な時間を軍隊で過ごさなければならない彼らの宿命。ソウルにある戦争記念館を訪れた際、ガイドの人がこう説明していたのが印象的です。

 

「徴兵を終えないと大企業や公務員の試験を受けられない」

「なるべく早く徴兵を終えたいが、軍の受け入れ人数の制限がある為に入隊浪人をする人もいる」

 

日本人にはにわかには信じられない話ですが、この時これが韓国の現実なのだと悟りました。日本以上の超学歴&格差社会を前に、韓国の男性は徴兵という試練をも超えなければならないのです。

 

韓国の徴兵制については下記サイトが詳しいです。

徴兵制~韓国の軍隊制度 | 韓国の軍隊 | 韓国文化と生活|韓国旅行「コネスト」

 

 

続いて台湾はどうでしょうか。

 

台湾(正式名称:中華民国)は、日本の南西に位置する島国で、1949年に中国国民党の蒋介石が実効支配を開始してから現在の統治体制が続いています。第2次世界大戦後の中国国共内戦の末に中華人民共和国と分離してできた国であるため、現在でも台湾を正式な国家として承認している国は22カ国に過ぎません。(日本は国家承認をしていないが、国家と同等の扱いをしている)

 

台湾は徴兵制を敷いていましたが、近年はその見直しが進んでいるようです。下記サイトによると現在男性は1年間の兵役が義務付けられていますが、今後は4ヶ月の奉仕活動をもって兵役に替えることができるようです。

 

「台湾、徴兵制度廃止へ秒読み」2015.03.17 ( アジア情勢 ) - まこも日誌☆見出しで読み解く台湾 - Yahoo!ブログ

 

 

韓国、台湾、フィリピンが守りたいもの

韓国では毎週金曜日に戦争記念館で行われる国軍儀仗パレードに参加する姿を、台湾とフィリピンでは施設の警護にあたっている兵士の姿を目にしました。彼らは軍人特有の精悍な顔つきをしており、まさに国を守っているという感じがしました。

 

北緯38度線の北朝鮮との国境沿いにはとてつもなく大きな韓国の国旗が掲げられており(北朝鮮側も同様)、その最前線である板門店を警備する国連軍(計600名のうち500名は韓国人との情報)には容姿端麗、語学堪能なエリート韓国軍兵士が派遣されると聞きました。彼らの中には帰国子女も多く含まれており、北朝鮮との差を見せつけているのだいいます。

 

戦争記念館には古代朝鮮からの戦争の歴史が展示されていました。どの時代も興味深かったのですが、ある時代がぽっかりと抜けていることに気づきました。日本統治時代の1910年から1945年です。それ以後は朝鮮戦争の記録や近年の国連軍への参加などであり、日本人としては何とも複雑な気持ちになりました。

 

台湾の中正紀念堂には蒋介石の巨大な銅像があり、その前に二人の兵士が立っていました。色々と意見はあると思いますが、蒋介石が現在の台湾の礎を築いたことは間違いないでしょうし、軍隊が守るだけの価値があるというメッセージを私は感じました。中国との関係が今後どうなるのかはわかりません。しかし台湾政府が何を大切にしているのかは、もしかしたらこの辺りから見えてくるのかもしれません。

 

フィリピンではマニラにあるリサール公園を訪れました。この公園の名前にもなっているホセ・リサールという人物はフィリピンの国民的英雄として有名で、彼の実績はWikipediaをご覧いただければお分かりになると思います。ここマニラの銅像だけでなく、彼の留学などで所縁のある地には、現在記念碑が建てられているそうです。(日本は東京都日比谷公園

 

そのリサール公園の東側には、これまたフィリピンの英雄ラプ=ラプの巨大な銅像があります。16世紀にスペインのマゼランがセブ島に到着した際、ラプ=ラプはキリスト教への改宗を拒否し(彼はイスラム教徒だった)、のちにマクタン島の戦いでマゼラン軍を打ち破りました。世界史を1年しか勉強しなかった私は、この2人については全く知りませんでした。しかしこの地を訪れた私は、この2つの銅像が一直線に立ち並び、フィリピン軍兵士に守られているリサール像とその奥に立つラプ=ラプ像がマニラ湾を睨み付けていることに気付きました。フィリピンについて私は詳しくはありませんが、この2つの銅像を調べるだけで、この国の歴史をざっくりとですが知ることができました。

 

 

 

自衛隊が守りたいものとは

ここまで滞在記のような形で記してきましたが、この3カ国に共通して言えることが1つだけあります。それは街中で見る国旗の多さです。たまたま私が国立の施設や博物館を訪れた回数が多かったからかもしれませんが、ちょっと大きめのオフィスビルの前には必ず国旗が掲げられていましたし、繁華街でも自然な形で国旗が飾られていました。フィリピンでは大統領選の真っ只中ということもあり、街の至る所で国旗を目にしました。もしこれが日本であったら、と想像すると、ちょっと怖いかもしれません。なぜなら日本では選挙であっても国旗を掲げるような候補者は見たことがありませんし、街中で日の丸を見ることもほぼありませんから。むしろ日の丸=右翼、ナショナリストと結びつけられるのが最近の潮流なのかもしれません。

 

 

自衛隊は何を守っているのか。

 

この問いを考えるにあたり、三島由紀夫の檄文に興味深い文言を見つけたので紹介します。

 

国体を守るのは軍隊であり、政体を守るのは警察である

 

 

自衛隊が軍隊なのかそうでないのかの議論はさておき、自衛隊が武力集団であることは間違いないので、ここでは「自衛隊が国体を守る」と解釈します。しかし三島はこうも述べています。

 

法理論的には、自衛隊違憲であることは明白

 

集団的自衛権の行使が合憲か違憲かで揉めていますが、三島は「この時」が来るのを予見したかのように、46年前に檄文を記し、あのような行動に出たのかもしれません。

 

 

自衛隊は何を守っているのか。

 

 

この問いについては、もう少し日本のことを知る必要がありそうです。

 

 

 

お読みいただきありがとうございます。

 

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